外壁修理

サイディング外壁の補修方法!症状別の直し方、相場、DIYを解説

サイディング外壁の補修方法

この記事の監修者兼ライター

徳良 仁|1級建築士・1級電気工事施工管理技士・第一種電気工事士

千葉県在住の兼業ライター。建設業界で現場経験を15年(建築3年・電気12年)経験したのち、日本最大の大手アパレルの出店開発部門で発注者としての施工監理を2年経験。現在はGAFAの1社で施設立ち上げ部門の管理職として従事。1級建築士・1級電気工事施工管理技士・第一種電気工事士も保持。日々の幸せは家族団らんを穏やかに過ごすこと。

「サイディングの目地に隙間ができているけど、放っておいて大丈夫?」「訪問業者に“今すぐ直さないと雨漏りする”と言われたけど本当?」と不安を感じていませんか?

実は軽微なひび、欠けはDIYでも対応できます。一方、下地まで傷んだ被害は業者に任せるのが正解です。サイディングは板本体より先に目地のコーキングが傷むため、症状を正しく見極めれば適切に対処できます。

ただし、判断を誤ってDIYで無理に手を加えると、雨水が壁内へ入り数十万円の補修に発展するおそれがあります。訪問業者に“今すぐ”と即決を迫られても、まずは自分で症状を確認してから判断しましょう。

この記事では症状別の補修方法、補修材の選び方、DIY手順、費用相場、火災保険の活用、失敗しない業者選びまで解説します。最後まで読めば、必要な補修だけを適正価格で進められます。

「騙されず、損せず、安心して暮らせる家」を手に入れましょう。

このような方におすすめ

  • サイディングに劣化サインを見つけて補修が必要か判断したい方
  • DIYで対応できる範囲と業者に頼むべきラインを知りたい方
  • 補修方法別の費用相場と足場代の内訳を把握したい方
  • 火災保険や補助金で費用を抑えたい方

※1 対応エリア・加盟店・現場状況等により記載内容の通りには対応できない場合がございます。
※2 お見積り前のお客様都合によるキャンセルの場合はキャンセル料が発生するケースがあります
※3 出張費には別途部材代、作業費が発生します
※4 施工内容によっては再発保証がつかない場合がございます

サイディング外壁の劣化症状|補修が必要なサイン【セルフチェック】

サイディング外壁の劣化症状

サイディングは症状の種類が分かれば、補修の緊急度を自分で判断できます。代表的な劣化症状は次の5つです。

代表的な劣化症状の確認ポイント

  • 目地のコーキング劣化
  • ひび割れ(クラック)
  • 欠け、割れ、穴
  • 反り、浮き
  • チョーキング、剥がれ、ボロボロ

まず【症状×緊急度×放置した場合】のセルフチェック表で、自宅の状態を確認しましょう。

症状 緊急度 放置した場合
コーキングの切れ・隙間 早めに 雨水浸入で下地腐食
ひび割れ幅0.3mm以上 今すぐ 壁内浸水・雨漏り
欠け・穴(下地露出) 今すぐ 内部腐食・シロアリ被害
反り・浮き 早めに 強風で落下・脱落
チョーキング・剥がれ 早めに 防水性喪失・素地劣化

窯業系サイディングを中心に、金属系・木質系・樹脂系でも共通する症状です。症状ごとの特徴は以下のとおりです。

目地のコーキング劣化はサイディングで最初に現れる

目地のコーキング劣化はサイディングで最初に現れる

サイディングは板そのものよりも、板と板をつなぐ目地のコーキングから先に傷みます。

コーキングは紫外線と温度変化で少しずつ縮み、5〜10年ほどで防水機能を失う性質があるためです。代表的な劣化症状は以下のとおりです。

コーキング劣化の主な劣化症状

  • ひび割れ(表面に細かい亀裂)
  • 肉痩せ(本来より痩せて隙間ができる)
  • 剥離(サイディングとの間が浮く)
  • 隙間(コーキングが切れて空く)

隙間を放置すると、そこから雨水が入り下地の木部が腐食します。板が無事でも、目地の劣化を見つけたら早めに点検を依頼しましょう。

ひび割れは幅0.3mmを境に緊急度が分かれる

ひび割れは幅0.3mmを境に緊急度が分かれる

サイディングのひび割れは、幅0.3mmを境に対応の緊急度が変わります。

品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)に基づく国土交通省告示第1653号では、ひび割れ幅0.3mm以上を「構造上の瑕疵の可能性がある」と区分しています。0.3mm未満のヘアクラックは経過観察で足りる一方、0.3mm以上のクラックは防水層に達するおそれがあり、専門業者の診断が必要です。

自宅で確認するには、ホームセンターで購入できる「クラックスケール」(500〜1,000円程度)をひびに当てて計測します。ひび割れの詳しい見分け方と補修は下記の別記事で解説しています。

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欠け、割れ、穴は下地被害のサインになる

欠け、割れ、穴は下地被害のサインになる

サイディングの欠けや穴は、小さければパテで補修できるものの、下地が見える場合は被害進行のサインです。

角の欠けは物のぶつかりや凍害が原因のケースが多く、釘周りの割れは施工不良や経年での板の収縮でも発生します。主な症状は以下のとおりです。

欠けや割れ、穴の主な症状

  • 角部分の小さな欠け
  • 釘、ビス周辺の割れ
  • 板の中央部にできた穴
  • ボードの端部が欠けて下地が露出

軽微な欠けは外装用パテで自分でも補修可能です。ただし、防水シートや断熱材が見えるほどの穴は、内部まで被害が進んでいる可能性があります。

下地が見える欠けは自己判断せず、業者に現地調査を依頼しましょう。

反り、浮きはボードの寿命を知らせる

反り、浮きはボードの寿命を知らせる

サイディングの反りや浮きは、ボード自体が寿命を迎えたサインです。

窯業系サイディングは吸水と乾燥を繰り返すことで少しずつ膨張や収縮し、10年以上経過すると板が反り始めます。主な症状は次のとおりです。

反りや浮きの主な症状

  • ボード全体が波打つ
  • 端部が浮いて外側にせり出す
  • 釘、ビスが浮いて固定が緩む
  • 板同士の合わせ目に段差ができる

反りや浮きを放置すると、強風や地震でボードが落下し、人身被害を招くおそれがあります。特に2階以上の反りは、早急に業者へ連絡しましょう。

チョーキング、剥がれ、ボロボロは塗膜の防水切れを示す

チョーキング、剥がれ、ボロボロは塗膜の防水切れを示す

外壁を触って白い粉が手につく「チョーキング」は、塗膜の防水性能が失われたサインです。

塗料の樹脂が紫外線で分解され、顔料だけが表面に残る現象で、放置すると次の段階へ進行します。

チョーキングの主な症状

  • 色あせ(塗膜が変色)
  • チョーキング(白い粉が手に付く)
  • 塗膜の膨れ、剥がれ
  • サイディング表面のボロボロ化

塗膜が切れると防水性を失い、サイディング本体が水を吸って劣化が加速します。チョーキングを確認したら、部分補修ではなく外壁塗装を検討しましょう。

サイディング外壁の補修を放置するとどうなる【放置リスク】

サイディング外壁の補修を放置するとどうなる【放置リスク】

サイディングの補修を先延ばしにすると、住宅の寿命そのものが縮みます。

建築基準法第8条は建物所有者に維持保全の努力義務を課しており、放置による被害拡大は所有者の責任も問われかねません。放置による主な被害は次の3つです。

雨水の浸入で下地、柱が腐食する

雨水の浸入で下地、柱が腐食する

表面の小さなひびでも、雨水が浸入すれば内部の防水シートや柱まで被害が進みます。

サイディングの内側には防水シートが張られているものの、劣化部分から入った雨水は少しずつシートを傷め、最終的に木部の柱や土台まで到達します。劣化の進行と補修費用の目安は以下のとおりです。

段階 状態 補修費用の目安
表面にヘアクラック 数万円
目地・板のひび拡大 3〜15万円
内部に雨水浸入開始 10〜30万円
断熱材・防水シート腐食 50〜100万円
柱・土台が腐食しシロアリ発生 100万円超

早期に手を打てば数万円で済む補修が、放置で100万円超の構造補修に発展するケースは珍しくありません。

断熱、防水性が落ちてカビ、結露が発生する

断熱、防水性が落ちてカビ、結露が発生する

サイディングから浸入した雨水は、壁の内部で湿気となってこもります。

壁内に湿気が滞留すると断熱材が水を吸って性能を失い、室内側の壁紙にカビが浮き出る仕組みです。カビはアレルギーや喘息を引き起こす要因になり、住む人の健康を損なうおそれがあります。

「壁紙にシミやカビが出てきた」と感じたら、外壁のどこかで雨水が入り込んでいる可能性が高い状態です。室内側の異変も、外壁補修の判断材料に含めましょう。

放置すると全面張り替えになり費用が高額化する

放置すると全面張り替えになり費用が高額化する

早期の部分補修を逃すと、数万円で済んだ補修が数百万円規模の全面工事に膨らみます。

たとえば目地のコーキング打ち替えなら数万円で対応できる一方、下地まで腐食すれば部分張り替え30万円〜、全面張り替え150万円以上になるケースが一般的です。「あと1年」と先延ばしにするほど、選べる工法が減り費用も跳ね上がります。

まずは現状の被害範囲を早めに把握しましょう。

【症状別・工法別】サイディング外壁の補修方法

【症状別・工法別】サイディング外壁の補修方法

サイディングの最適な補修方法は、症状の種類と被害の広さで決まります。まず、以下の早見表を確認して自宅の状況を把握しましょう。

劣化レベル 症状の目安 最適な補修方法
軽度 目地劣化・小さなひび・欠け 打ち替え・パテ補修
中度 広範囲のひび・塗膜劣化・1枚単位の破損 部分張り替え+外壁塗装
重度 反り・下地腐食・広範囲のボロボロ カバー工法・全面張り替え

症状に応じた補修方法は以下のとおりです。

目地の劣化は打ち替えで再発を防げる

目地の劣化は打ち替えで再発を防げる

目地のコーキング劣化は、古いコーキングを撤去して新しく充填する「打ち替え」が基本です。

上から重ねるだけの「増し打ち」は費用を抑えられる一方、劣化した層が下に残るため数年で再劣化します。両工法の違いは以下のとおりです。

項目 打ち替え 増し打ち
施工内容 旧材撤去→新規充填 上から重ねて充填
費用の目安 900〜1,500円/m 500〜900円/m
耐久年数 10〜15年 3〜5年
適用範囲 すべての目地劣化 軽微な肉痩せのみ

増し打ちで済ませると数年で再劣化し、結局は打ち替え費用が二重に発生します。長期のコストを抑えたいなら、打ち替えを選びましょう。

ひび、欠けはパテとシーリングの使い分けで補修できる

ひび、欠けはパテとシーリングの使い分けで補修できる

軽微なひびや欠けは、症状に合わせて充填材を使い分ければ補修できます。

線状のひび割れにはシーリング材、穴や欠けにはパテを使うのが基本です。使い分けの目安は次のとおりです。

症状別の補修剤の使い分け

  • 幅0.3mm未満の細いひび:変成シリコン系シーリング
  • 幅1mm以上のひび:Uカット後にシーリング+樹脂注入
  • 5cm以内の小さな欠け:外装用パテで充填
  • 下地が見える穴:業者施工(下地補修が必要)

深いひびを表面だけ塞ぐと、内部の被害を見逃してしまうおそれがあります。DIYの具体的な手順は後述します。

1枚単位の被害は部分張り替えで対応できる

1枚単位の被害は部分張り替えで対応できる

ボード1枚単位の被害は、部分張り替え(差し替え)で対応できます。

差し替えの流れは、周辺のコーキング撤去→対象ボードの取り外し→新しいボードの取り付け→コーキング再充填の順です。工期は1〜2日で完了し、費用は1枚あたり2〜5万円が目安になります。

ただし、10年以上前のサイディングは廃番になっているケースが多く、既存と同じ色柄が入手できない場合があります。差し替え箇所だけ色柄が変わってしまう可能性があるため、事前に業者にサンプルを確認してもらいましょう。

塗膜が全体に劣化したら外壁塗装で保護する

塗膜が全体に劣化したら外壁塗装で保護する

外壁全体でチョーキングや色あせが出ていれば、塗装で塗膜を回復させます。

塗料はグレードごとに耐用年数と費用が変わります。主な塗料と耐用年数の目安は以下のとおりです。

塗料グレード 耐用年数 30坪あたり費用
アクリル 5〜7年 40〜60万円
ウレタン 8〜10年 55〜75万円
シリコン 10〜13年 65〜90万円
フッ素 15〜20年 90〜120万円
無機 20〜25年 100〜150万円

JASS8(日本建築学会建築工事標準仕様書)でも、外壁塗装とシーリング補修の同時施工が推奨されています。足場をまとめられるため、コストを抑えつつ耐久性を確保できます。

下地まで傷んだらカバー工法か全面張り替えが必要になる

下地まで傷んだらカバー工法か全面張り替えが必要になる

反りや下地腐食が広範囲に及ぶ場合は、カバー工法か全面張り替えが必要です。

両工法にはそれぞれ長所と短所があります。以下の表で違いを確認しましょう。

項目 カバー工法 全面張り替え
施工内容 既存の上から新規ボード 既存を撤去して張り替え
費用(30坪) 150〜220万円 200〜300万円
工期 7〜14日 14〜21日
廃材 少ない 多い
耐震性 重量増で不利 軽量化で有利
下地補修 不可 可能

下地まで腐食が進んでいれば、カバー工法では被害を覆い隠すだけになります。

防水シートや断熱材の刷新まで含めるなら、全面張り替えを選びましょう。

サイディング外壁の補修に使う補修材、塗料の選び方

サイディング外壁の補修に使う補修材、塗料の選び方

サイディングの補修材は、症状に合わないものを使うと補修がすぐ再発します。主な補修材の使い分けのポイントは以下のとおりです。

ひび、欠け用のパテは外装用の耐候タイプを選ぶ

サイディングの欠け補修には、外装用・耐候性のパテを選びます。

内装用パテは室内の湿度に耐える程度の性能しかないため、屋外で使うと雨水と紫外線で数か月のうちに劣化します。パテの選び方は用途別に次のとおりです。

パテの種類 主な用途 上塗り塗装
外装用パテ 欠け・穴の充填 可能
変成シリコン系パテ 動きのある部分 可能
エポキシパテ 強度が必要な補修 可能
内装用パテ 屋内壁のみ 屋外NG
パッケージに「外装用」「屋外対応」と明記された商品を選びましょう。

目地には変成シリコン系のコーキングを選ぶ

外壁の目地には、変成シリコン系のコーキング材が基本です。

一般的なシリコン系(バスコーク等)は防水性が高い反面、表面が塗料をはじいてしまい、後から塗装で仕上げられません。用途別の選び方は以下のとおりです。

メモ

  • 変成シリコン系:外壁、目地の基本。上塗り塗装可能
  • ポリウレタン系:耐候性がやや低いため単独使用は避ける
  • 一般シリコン系:水回り専用。外壁ではNG
  • アクリル系:屋内向け。屋外は不向き
外壁補修では「変成シリコン系」「ノンブリード」と表記された商品を選びましょう。

色合わせはメーカー純正のタッチアップ塗料でおこなう

補修後の色差を目立たせないためには、メーカー純正のタッチアップ塗料を使うと安心です。

サイディングメーカー各社は、自社製品の色や柄に合わせた小容量の補修塗料を販売しています。既存の色番号を確認できれば、近い色を選んで補修跡を目立たなくできるでしょう。

色番号はサイディング裏面や施工時の書類に記載されているケースが多いので、まず自宅の書類を確認しましょう。書類が見当たらない場合は、業者にサンプルを取ってもらい、色合わせを依頼するとスムーズです。

補修材選びのミスは数年での再発を招く

補修材の選定を誤ると、せっかくの補修が数年ももたずに再発します。よくある失敗と影響は以下のとおりです。

失敗内容 影響
内装用パテを屋外で使用 数か月で劣化・剥離
プライマー塗布を省略 密着せず数年で剥がれ
一般シリコンで目地補修 上塗り塗装ができず再工事
色番号を確認せず補修 色差が目立ち美観低下

材料選びに迷ったら、施工品質も担保できる専門業者に材料選定を任せると安心です。

サイディング外壁の補修はDIYでできる?【手順つき】

サイディング外壁の補修はDIYでできる?【手順つき】

サイディング補修は、表面の軽微な傷ならDIY可、下地被害があれば業者に依頼します。DIYで対応できる範囲と業者に頼むべき範囲は以下のとおりです。

判断項目 DIYできる例 DIYできない例
症状の程度 5cm以内の欠け 下地が見える穴
場所の高さ 手が届く低所 2階以上の高所
範囲 1〜2箇所 広範囲・複数箇所
下地の状態 健全 腐食・軟化

無理に手を出すと悪化し、かえって費用が増えます。DIY可否は以下の要素で判断できます。

軽微な欠け、目地補修は低所、小範囲ならDIYで対応できる

軽微、低所、小範囲の3条件を満たせば、以下の道具を用意してDIYでも補修できます。

必要な道具

  • 変成シリコン系シーリング材
  • コーキングガン
  • 外装用パテ
  • プライマー
  • マスキングテープ
  • ウエス(拭き取り用)
  • サンドペーパー
  • タッチアップ塗料

補修は主に以下の手順で行います。

補修の手順

  1. 清掃:補修箇所の汚れや古いコーキングを取り除き、乾燥させる
  2. マスキング:補修箇所の両端にマスキングテープを貼る
  3. プライマー塗布:密着を高めるプライマーを塗り、5〜10分乾燥させる
  4. 充填:コーキングガンやパテで奥まで隙間なく充填する
  5. ならし:ヘラで表面を平らに整える
  6. 乾燥:24時間以上そのままにして完全に硬化させる
  7. 仕上げ:サンドペーパーで整え、タッチアップ塗料で色を合わせる
雨天や気温5℃以下では密着不良の原因になるため、施工を避けましょう。

高所、広範囲、下地被害はDIYで悪化させるおそれがある

高所、広範囲、下地被害の3条件に該当する場合は、DIYを避けて業者に依頼します。DIYで悪化するおそれのある点は以下の3つです。

DIYで悪化する恐れがあるポイント

  • 防水層の誤破壊:合わない材料で塞ぐと内部に水が溜まり腐食が進む
  • 素材の選定ミス:内装用や合わない材料を使うと数か月で剥離する
  • 高所転落:脚立、はしごからの転落事故は実務上でも多く発生する

「数万円のDIY節約のつもりが、翌年に雨漏りが始まり数十万〜数百万円の補修になった」というケースは実務でも見られます。無理をせず、判断が難しい症状は業者へ相談しましょう。

サイディング外壁の補修費用の相場と安く抑える方法

サイディング外壁の補修費用の相場と安く抑える方法

サイディングの補修費用は方法と範囲で変わり、使える制度を知らないと損をします。実際の費用は住宅の状態・地域・時期で変動します。内訳と節約方法は以下のとおりです。

部分補修は数万円だが足場代で総額が変わる

部分補修は数万円だが足場代で総額が変わる

軽微な補修は数万円から可能なものの、足場を組む場合は総額が跳ね上がります。

たとえば目地1mの打ち替え自体は1,500円程度でも、2階以上の作業に足場が必要になれば15〜20万円が上乗せされます。材料費が安くても、足場代で総額が変わる仕組みです。

見積書で確認すべき内訳項目は以下のとおりです。

見積書で確認すべき内訳項目

  • 材料費(コーキング材、パテ、塗料の種類と量)
  • 施工費(人工数と単価)
  • 足場代(必要な場合の金額と架設範囲)
  • 廃材処分費(撤去がある場合)
  • 諸経費(現場管理費・交通費)

内訳が明記されていない見積書は追加請求のおそれがあるため、必ず内訳を求めましょう。

全面工事は塗装、カバー工法、張り替えで費用と耐久が変わる

全面工事は塗装、カバー工法、張り替えで費用と耐久が変わる

全面工事は100万円超が目安で、選ぶ工法により費用と耐久年数が大きく変わります。30坪の住宅を想定した比較は以下のとおりです。

工法 費用の目安 耐久年数
外壁塗装(シリコン) 65〜90万円 10〜13年
外壁塗装(フッ素) 90〜120万円 15〜20年
カバー工法 150〜220万円 20〜30年
全面張り替え 200〜300万円 30〜40年

初期費用だけで比較すると塗装が最安な一方、長期の耐久性で見ると張り替えの方が単価あたりの持ちがよくなります。

築年数と予算に合わせて選びましょう。

自然災害が原因なら火災保険で費用を抑えられる

自然災害が原因なら火災保険で費用を抑えられる

台風でサイディングが割れた・強風で飛んできた物で欠けたといった被害なら、加入中の火災保険で補修費用をまかなえる場合があります。

保険が使えるかどうかは、被害の原因が「自然災害」か「経年劣化(時間の経過による傷み)」かで決まります。

損害原因 適用可否 対応方針
台風・強風による損害 適用可 風災補償で申請
雹(ひょう)・積雪の損害 適用可 雪災・雹災で申請
飛来物による損害 適用可 破損・汚損で申請
経年劣化 適用不可 自己負担で補修
施工不良 適用不可 品確法第94条の瑕疵担保を検討

保険を申請できるのは、被害が起きてから3年以内です。3年を過ぎると、たとえ自然災害が原因でも申請できなくなります。「先月の台風で気になる症状が出た」という場合は、早めに保険会社へ相談しましょう。

なお、「保険を使えば無料で直せますよ」と勧誘してくる業者には注意が必要です。経年劣化の被害を「台風の被害」と偽って申請させる悪質な手口が全国で報告されています。もし業者に言われるがまま虚偽の申請をしてしまうと、契約者本人(家の持ち主)が詐欺の責任を問われるおそれがあります。

補修前に被害箇所の写真を複数枚撮影し、保険会社へ連絡してから施工を始めましょう。

補助金や同時施工で足場代を節約できる

補助金や同時施工で足場代を節約できる

自治体の補助制度や工事のまとめ依頼で、費用負担をさらに減らせます。

多くの自治体が住宅リフォームや省エネ改修向けの補助制度を用意しており、外壁補修も対象になるケースがあります。制度の名称・金額・要件は毎年変わるため、必ず自治体の公式サイトで最新情報を確認しましょう。

また、足場を組む工事はまとめて依頼すると効率的です。次の同時施工でコストを圧縮できます。

コストを圧縮できる同時施工の項目

  • 外壁塗装+屋根塗装
  • 外壁補修+雨樋交換
  • コーキング打ち替え+外壁塗装

別々に依頼すれば足場代が2回分(30〜40万円)かかる工事も、まとめれば1回分で済みます。

悪質業者に注意|後悔しないサイディング補修業者の選び方

悪質業者に注意|後悔しないサイディング補修業者の選び方

サイディング補修は業者選びを誤ると、直したはずの外壁が数年で再発します。信頼できる専門業者を見極めるポイントは以下のとおりです。

現地調査をしない業者への依頼は避ける

現地調査をしない業者への依頼は避ける

現場を見ずに即答する業者への依頼は避けましょう。

サイディングの補修方法は、症状の程度・下地の状態・板の種類を現地で確認しなければ決まりません。打診検査(壁を叩いて内部の浮きを確認)やクラック幅の計測をせずに見積もりを出す業者は、正しい工法を選定できていない状態です。

建設業法第19条は、請負契約書に工事内容・使用材料・金額・工期を明示することを義務づけています。「電話一本で見積もりが出せます」と即答する業者は、この義務を果たせていません。

問い合わせ時に、現地調査と打診検査を実施するか必ず確認しましょう。

見積書は工法名・材料名・箇所数の明記で信頼性が分かる

見積書は工法名・材料名・箇所数の明記で信頼性が分かる

信頼できる見積書は、工法名・材料名・補修箇所数が具体的に書かれています。

「工事一式」だけの記載は、後から追加請求されるおそれがあります。信頼できる記載と避けるべき記載の違いは以下のとおりです。

項目 信頼できる記載 避けるべき記載
工法名 打ち替え・Uカット等 外壁補修一式
材料名 変成シリコン系〇〇 コーキング材
箇所数・延長 3箇所・合計2.5m 数箇所
足場費用 15万円(別途明記) 含む(内訳なし)
保証年数 施工保証5年・書面あり アフターフォローあり

「万が一、下地が腐食していれば追加費用が発生する可能性があります」と、都合の悪い情報を先に伝える業者は誠実さの表れです。

工事後の保証書の発行が施工不良への備えになる

工事後の保証書の発行が施工不良への備えになる

工事保証書がないと、再発時に補修費用が全額自己負担になるおそれがあります。

メーカー保証は「製品そのもの」を対象にした保証で、施工ミスによる不具合は対象外です。工法別の保証年数の目安は以下のとおりです。

工法 保証年数の目安
シール充填 3〜5年
Uカット工法 5〜10年
樹脂注入工法 10年以上
外壁塗装 5〜10年
部分張り替え 5〜10年

契約前に「施工が原因の不具合は無償で対応してもらえますか」と確認し、口約束ではなく書面で残す業者を選びましょう。

訪問販売で即決を迫る業者には応じない

訪問販売で即決を迫る業者には応じない

「今すぐ直さないと大変」と煽って即決を迫る業者には応じないようにします。

飛び込みで訪問してきて、その場で契約を求める業者は避けたほうが安心です。まずは自分で以下の点を確認してから判断しましょう。

自分で確認すべきポイント

  • クラック幅(クラックスケールで計測)
  • 雨漏り痕(室内の天井、壁のシミ)
  • 外壁の膨らみ、浮き(目視で確認)
  • チョーキング(触って白い粉が付くか)

自分で確認した情報を持ったうえで、信頼できる業者に改めて診断を依頼すると冷静に判断できます。

サイディング外壁の補修は症状と範囲で方法が決まる

サイディング外壁の補修は症状と範囲で方法が決まる

サイディングを長持ちさせるには、まず症状の緊急度を自分で見極めましょう。

サイディング外壁の補修で押さえておくべきポイント

  • 目地のコーキングはサイディングで最初に劣化する
  • ひび0.3mm以上、下地露出の欠け、広範囲の反りは業者診断を依頼する
  • 補修材は外装用パテと変成シリコン系コーキングを基本にする
  • 部分補修は数万円〜、全面工事は100万円超が費用の目安になる
  • 自然災害が原因のひび、欠けは火災保険を申請できる場合がある

症状の緊急度や最適な工法や材料判断は、一般の方には難しい部分があります。訪問業者に即決を迫られても、まずは自分で症状を確認しましょう。判断に迷った場合は、信頼できる専門業者に無料点検を依頼すると安心です。

屋根外壁お助け本舗では、全国各地の提携業者と連携し、お客様の地域に最適な業者を迅速にご紹介しています。ご相談は365日24時間承っていますので、お気軽にお問い合わせください。

早めに動いて、安心して暮らせる家を守りましょう。

サイディング外壁の補修でよくある質問

Q1. サイディングの欠けはDIYで直せますか?

5cm以内の小さな欠けなら、外装用パテを使えばDIYで補修できます。ただし、下地の防水シートや木部が見えるほどの穴は、内部まで被害が進んでいるおそれがあるため業者に依頼しましょう。2階以上の高所や広範囲の欠けも、転落・施工不良のおそれを避けるためDIYは控えるのが安心です。
>> 軽微な欠け・目地補修は低所・小範囲ならDIYで対応できる

Q2. サイディングの補修費用はいくらかかりますか?

部分補修は数万円から、全面工事は100万円超が目安です。目地のコーキング打ち替えは1m900〜1,500円、ひび・欠けのパテ補修は1〜3万円、外壁塗装は65〜120万円、全面張り替えは200〜300万円が相場になります。2階以上の作業には足場代15〜20万円が加算されるため、見積時に必ず内訳を確認しましょう。
>> サイディング外壁の補修費用の相場と安く抑える方法

Q3. 補修と張り替えはどちらを選ぶべきですか?

築年数と被害範囲で判断します。築10年前後で被害が目地や1〜2箇所に限られていれば、部分補修とコーキング打ち替えで十分です。築15〜20年以上で反りや下地腐食が広範囲に及ぶ場合は、カバー工法か全面張り替えを検討しましょう。判断に迷ったら、業者の現地調査で下地状態を確認してもらうと安心です。
>> 【症状別・工法別】サイディング外壁の補修方法

Q4. 補修材(パテ)は何を選べばいいですか?

サイディングの欠け補修には外装用・耐候性のパテを選び、目地には変成シリコン系のコーキング材を使います。内装用パテを屋外で使うと数か月で劣化するため、流用は避けましょう。上から塗装する予定があれば「上塗り可能」と明記された商品を選ぶと、後の仕上げがスムーズです。
>> サイディング外壁の補修に使う補修材・塗料の選び方

Q5. サイディングのひび割れはどこまで自分で直せますか?

幅0.3mm未満のヘアクラックで、手が届く低所であればDIYで対応できます。0.3mm以上の構造クラックは防水層への被害が疑われるため、業者の診断が必要です。詳しいひび割れの見分け方と補修方法は別記事で解説しています。
>>サイディング外壁の補修はDIYでできる?【手順つき】

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※1 対応エリア・加盟店・現場状況等により記載内容の通りには対応できない場合がございます。
※2 お見積り前のお客様都合によるキャンセルの場合はキャンセル料が発生するケースがあります
※3 出張費には別途部材代、作業費が発生します
※4 施工内容によっては再発保証がつかない場合がございます

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jin tokuyoshi

千葉県在住の兼業ライター。 建設業界で現場経験を15年(建築3年・電気12年)経験したのち、日本最大の大手アパレルの出店開発部門で発注者としての施工監理を2年経験。現在はGAFAの1社で施設立ち上げ部門の管理職として従事。1級建築士・1級電気工事施工管理技士・第一種電気工事士も保持。日々の幸せは家族団らんを穏やかに過ごすこと。

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